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”負の”世界遺産を訪れる

20世紀最大の悲劇と言われるホロコースト。

この出来事について私たちはどの程度まで事実を知っているのでしょうか。
  

私はこの場所を訪れるまで、ナチスドイツ、ヒトラー、ユダヤ人という関係性でもってしかイメージしていませんでした。
  

実際にアウシュヴィッツに収監されていたのは、ユダヤ人だけではなくポーランド人、
ジプシー、同性愛者、身体的・精神的障害者、ソ連軍捕虜、政治犯等であった事、
人々は到着後すぐに労働力として使えるかどうかの”選別”をされ、
使えないと判断された者は”シャワーを浴びる”と言われ死のガス室送りになっていた事、
また女性や子供を人体実験として利用したり、
寝具作りのために女性の髪を刈り取っていた事、
靴やメガネ、食器に至るまでユダヤ人逹の全財産を奪い取り、
収容所の管理を一部のユダヤ人の囚人にも行わせ暴力で満ちた階級制が生まれていた事、、、

収容所は、ガス室以外にも見せしめの為の絞首刑や”死の壁”での銃殺、
飢餓など毎日が”死”で溢れかえっていたそうです。

数え切れないほどの悲惨で残酷な行為が、
決して遠くはない70年前に起こっていたのだという事実を目の当たりにしました。

人間の残酷さと戦争や貧困から生まれる狂気、
ユダヤ人に対する根深い人種差別だけでなく社会的弱者への差別の卑劣さ、
歴史に対して無知である事の危機感を非常に強く感じたのです。
  


  

またこの地を訪れた後、歴史を学ぶ事や過去に起こった
悲惨な事実を忘れない事の意義をひたすら考え続けていました。

私は、歴史や戦争を知らない現代人が増えるという事は、
その歴史がまた繰り返される危険性と隣り合わせでいる事なのだと思います。

全くの当たり前の様に聞こえますが、
過去の過ちから学び平和がいかにして築かれてきたか
間違った政府の判断とそれに従った(従うしかなかった)国民により
戦争が行われ罪のない人々の命が失われてきた事を考えれば、

世界情勢とその歴史や日本と他国の関係性、
政治に対する意識が確実に変わると思います。
  
現代の世の中に無関心で、歴史に無知でいてはならないのです。
  


  

多くの人々がアウシュヴィッツを訪れ、
無実の人々が犠牲になったこの悲劇を繰り返してはいけないと心に刻む中で、
現在も人種差別や貧困や飢餓は無くならず、
軍拡は進み紛争やテロが起きているという現実に矛盾を感じざるを得ません。
  

私逹はこの様な出来事に何度祈り、胸を痛めなければならないのでしょうか。
  

何が出来る、と言ってしまえば終わりかもしれませんが、
世界で起きている問題を自分の頭で考え、歴史を学び、議論をかわす人が増えれば
私たち世代のモラルや世論を形成する事は可能だと考えます。
  

心身ともに自由であり、希望を持てる将来が広がっている事、
家族や友人と共に時間を過ごせる事に感謝して
私なりの方法で平和な社会を築く為に貢献していきたい。

この負の世界遺産を訪れた後にそう強く思いました。
  

アウシュヴィッツの様な悲しい過去を持つ土地を訪れる事で、
様々な事を感じ、見えてくるものがあるはず。
機会があるならばぜひ、足を運んでみてほしいです。
  

この記事を書いた人

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Aoi
現在地:フィンランド
Tampere University of Applied Sciences トビタテ留学JAPAN日本代表プログラム2期生

Aoi さんの海外ストーリー