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ULC 5weeks Pre-Sessional Course

  1. 概要
     9月から始まる派遣留学の準備期間として、8月7日〜9月8日の約5週間、集中して英語の訓練ができるプレセッショナルコースを受講しました。以下その体験報告です。

  2. 諸費用
    5週間コース
    授業料:約22万円
    寮費:約9万円
    滞在費:約8万円

渡航・その他
航空券:約19万円(1年オープン)フィンランド航空
関空 → ヘルシンキ → マンチェスター
VISA:約5万円 優先サービス+約2万円
NHS(医療保険):約5万円
海外保険:約10万円

  1. 授業について  毎朝 9:30 から早くて 13:00 遅くて 15:30 まで授業があります。授業内容はライティングとスピーキングが中心で、週に数コマずつリーディングとリスニングの授業が設定されています。詳しいタイムテーブルに関してはこちらをご参照ください。

ULC 5weeks Pre-Sessional Course
http://circletofpearls.hatenablog.com/entry/2017/09...

 5週間のコースを通して取り組む 'Study Project' というアカデミックエッセイがあり、ライティングの授業を通して習う論文の書き方に関する様々なテクニックを自分の Study Project の執筆をする際に随時実践していく流れになっています。Study Project は 2000words 程度、内容は自分の専門や、マンチェスター大学で履修する予定の科目に関するテーマであれば何でも構いません。わたしはマンチェスター大学で東アジアの政治や外交、社会学に関する授業の方をメインにする計画だったため、中台関係論をテーマに選びました。

  • ライティングについて
     ライティングの授業では、目次の書き方や論文の構成、序文と結論の理想的なパーセンテージなどの基本的な部分から、文法的な間違いのない文章をより学術的な文章に書き直すという作業を問題を解く形式で練習する比較的ハイレベルなものまで様々でした。またレポートを書く上で特に慎重にならなければならない 'plagiarism'(=剽窃)については他のものよりも長めに時間をかけて習いました。これは参考文献を引用する際に、原文をそのまま引くのではなく、自分の言葉で書き直すテクニックなのですが、文法構造を大きく変える必要があったり、書き直す過程で文法的な間違いや文章のねじれが生まれたり、意味が変化してしまったりすることが多く、非常に難易度の高いタスクでした。また、学内の簡単なツアーも行われ、図書館の利用の仕方やその他様々な設備について知ることができました。

  • チュートリアルについて
     2週目の終わりまでにはテーマと、タイトル、目次と本文 500words の提出が求められます。そしてそれを金曜日までに出せば次の週の午後に 'tutorials' と呼ばれる1対1の個人面談で提出した所までの暫定的な評価や、直すべき箇所などを丁寧に指導してもらえます。クラスは15人ほどで構成されているため、午後の授業を2日分使って1日に半数ずつ行われます。そして、次の週もまた新しく習うテクニックを応用しつつ、指摘された箇所を直し、本文を書き進め、週末までに出来たところまで提出し、次のチュートリアルでさらに面談を重ねるという過程を何度も繰り返します。一人一人にしっかり時間が当てられること、適切な指導を受けられること、最終提出までに何度も書き直すことができる点などが自分にとても合っており、とてもよく配慮されたカリキュラムだと感じました。

  • スピーキングの授業について
     ライティングの授業が週3日あるのに対し、スピーキングの授業は週2日あります。この授業は先生が次々に生徒に話しかけ英語で話す機会を与えるウォーミングアップから始まります。2週目からは毎週個人のプレゼンテーションが行われます。リスニングの日は午前中しか授業がないため、全員が発表するには2日丸々かかる場合もありました。テーマは、自分の興味関心のあること、好きな映画、自分の出身地についてなどの簡単なトピックについて話すことから始まり、次に1回目とは異なるトピックについてパワーポイントを用いて話す、最後に自分の Study Project の内容に関わることについてより学術的なパワーポイントを的確に使いながら話すというように、少しずつ難易度が上がっていきます。一人一人のプレゼンテーションが終わるたびにどこがとてもよかったか、改善すべき点は何かなどを優しく丁寧に説明してもらえます。そのおかげで全員が先生からの評価を真摯に受け止めることができ、回を追うごとにどんどん良くなっていくのが自分たちにもよくわかりました。最後の個人プレゼンテーションが終わった後はグループ分けがあり、それぞれのグループでそれまでに習った全ての知識と身に付けたノウハウを元にアカデミックポスターを作ります。使用できる参考文献は web上にまとめられており、用紙やプリンターや、必要になるソフトもしっかりと準備されています。準備は3日かけて行われ、1日の最初と最後に出欠の確認を行う他は全て自由行動になります。同じグループのメンバーと手分けをして全ての文献に目を通し、構成を練り、自分の担当する部分の文章を書いて最後にその全てをまとめ、ポスターとプレゼンテーションの準備を終えました。これはそれまでのスピーキングの先生ではなく、ライティングを担当していた先生が見るため、より客観的な評価を得ることができます。

  • リーディングとリスニングの授業について
     リーディングは基本的に自宅学習とされていますが、コースの途中で何度かリーディングのテストが実施され、達成度を確認できるようになっていました。リスニングに関しては、週に1度大きなホールで実際にマンチェスター大学で教鞭を取っておられる教授による、'lecture' と呼ばれる講義形式の授業を体験するスケジュールになっていました。生徒によって専攻が様々であることを配慮し、トピックは言語学、生物学、法学など毎回大きく異なりました。実際の授業を想定したものですので、生徒はノートを取ることを求められます。講義を受けた後は各自の教室に戻り、スピーキングの先生と取ったノートを元に内容の確認をしたり、よりよいノートを取れるようになるためのテクニックなどを教わります。またリスニングも何度かテストが実施され、都度途中経過を確認することができます。

  1. まとめ
     授業は全て、実際の大学生活での課題や、直面するであろう困難を想定したもので、課題が出た時には何から始めるべきか、どう深めていくのがよいのかをゆっくりと学ぶことができるように構成されています。おかげで9月から始まる大学生活のビジョンが鮮明になりました。全て大学生活を送る中で自然と身につくものだったのかもしれませんが、事前にしっかりと時間をかけて教わることで、不安が大幅に軽減されました。また、この pre-sessional course とは別に、1年を通してサポートを受けることができる in-sessional course も開講されており、ライティングやスピーキングなど自分の強化したい部分のレッスンや、提出課題の添削などを受けることができます。まだ授業が始まっていないので利用するのは先のことになるかもしれませんが、そういったサービスがあるという事実だけでもありがたいです。

  2. 放課後・休日について
     授業が比較的早い時間に終わるため、放課後はマンチェスター市内の散策につぎ込みました。少しずつ地図を広げていく感覚で街を見て回り、公共交通機関を利用することで街での暮らし方が少しずつ身につきました。休日には大学主催の日帰り旅行などが準備されており、一人につき2回まで参加することができます。わたしはこれを利用して York と North Wales に行ってきました。運賃は無料もしくは高くて £6(900円程度)です。朝大学の建物の近くにたくさんのバスが並び、指定されたバスに乗れば行き先に着きます。そこからは帰る時間まで完全に自由となっているため、各自旅行先を散策し、食事を取ってバスに戻ればマンチェスター大学まで送り届けてもらえるシステムになっていて、非常に楽しかったです。

York, North Yorkshire

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Conwy, North Wales

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この記事を書いた人

ellen.t
現在地:日本
東京外国語大学 言語文化学部 言語文化学科 東アジア地域専攻・朝鮮語科 国立行政法人 日韓大学生討論会 北京語言大学 短期留学 (2015/7/22 ~ 8/20) スタディツアー「フランスの移民社会について学ぶ」(2016/2/9 ~ 2/22) 北京語言大学 短期留学 (2016/7/19 ~ 8/18)

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