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9月

1.勉学
 留学生向けの4日間にわたる丁寧なオリエンテーションの後、ついに授業が始まりました。
秋セメスターの授業をweboodiという東フィンランド大学のオンラインページで登録します。今年の3月に大学の交換留学生として申請する際に、去年のシラバスを参考に留学先での受講する授業を仮決定しました、が、取ろうと思っていた授業が複数今年は開講されないことが分かり、登録の時になって少し焦ってしまいました。また、人気のある授業はあっという間に枠が埋まってしまい、登録し損ねてしまいました。予定よりも遥かに少ない授業数です。授業は、ほとんどが専門の生涯教育や美術に関するものですが、自分の興味に合わせて森林学やフィンランド語の授業も登録しました。
 登録した授業のうち、2つの授業が始まったので以下に少し詳しく書きたいと思います。

ⅰIntroduction to the Finnish Environment
 留学生向けのフィンランドの自然についての授業です。フィンランドの基本的な気候、地理、自然の歴史、環境問題について14時間のレクチャーで学びます。実は、フィンランドに到着して一番初めに私の心を掴んだのは森、特に葉の形でした。フィンランドは国土の8割以上が森林で覆われ、18万の湖を保有する、まさに自然大国です。私は元々自然や木がとても好きなのですが、それだけではなく、フィンランドの自然を知ることはフィンランドを知るために欠かせない要素なのではないかと思いました。
 自然学部棟でのレクチャーでフィンランドの多様な自然について情報を得た後、校外学習として2種類の国立自然公園、Koli national parkとPatvinsuo national parkにバスで向かいました。実際の自然を前に最後のレクチャーを受けます、寒いです。


何よりも印象に残ったのは森の静けさでした。フィンランドの森の静けさは「無音」とは違います。細長くて高い高いマツの木が風で左右に揺れて立てる音は会話のようで、葉の落ちる音までが響く森では、学生も自然に声を潜めて話します。何もかも包み込みそうな豊かな森林がどこまでも広がっていました。

帰りのバスで教授が「皆さん今日は森の静寂を尊重してくれてありがとう。」とゆっくりと発音した時に、フィンランドの森とフィンランド人が重なって、妙に納得しました。フィンランドに暮らす人々はこの森の寡黙さをいつでも心に持っているような気がします。心の底に静寂を保つ人は強い、豊かさを感じます。
 授業の専門用語を英語で暗記するのには、特にテスト前に苦労しました。元々専門分野ではないので、単語を英和辞書で引いた後、生物辞書で引き直していました。肝心のテストは論述形式だったのですが、木や泥の種類を覚えきれず「フィンランド特有の泥2種類の名称とそれぞれの特徴について」の問いにテスト用紙に泥とそこに生息する植物を絵で描くことになりました。成績はなぜか4/5で1人おののきました。

ⅱFinnish Educational Systems and Organizations
 教育学に所属する留学生ほとんど全員が受講していた授業だったように思います。3回に分けてフィンランドの教育制度についての基本的なレクチャーを受けました。
 フィンランドでは"平等"を教育の最も重要なキーワードとして挙げ、それを徹底して貫く姿勢があります。理想に現実が伴う仕組みには、個人的に胸を打たれるほどです。マイノリティを含め多様な個人に目を向けつつ、全員に平等な機会を提供し、全員がある一定以上に到達できるように、多様性に合わせてサポートをするシステムが整っているようです。実際に、個人の社会的・文化的背景に関わらず平等な教育や社会を実現できているのは、システムそのもの以上に、フィンランドの人々の教育への高い信頼と共通の"平等"の概念を社会全体で共有している、ということが大きく背景にあるのではないでしょうか。教育は社会や国民と切っても切り離せない関係だということを強く感じます、教育だけに着目しても何も見えません。
 教育制度の違いに限らず、海外にいると"異文化"として他人との違う点ばかりに目が向きがちですが、だからこそ私は逆に同じ所を人に求め続けているような気がします。他の留学生が話す各国が抱える教育問題は日本と共通する点もたくさんあり、分かる分かると頷き続けていました。
 日本ではフィンランドの教育はブームに乗っ取り神聖化されているような所がありますが、フィンランドの教育に批判的な視点を持っている留学生や近年の教育の変化を憂いているフィンランド人も非常に多く、興味深く思っています。まだフィンランドの教育を勉強し始めなのでこれからです。

2.生活
 1日3食をしっかり食べ、10時間眠り、湖の畔や森の中をサイクリングして、サウナに入り、フィンランドメタルロックを聴く生活を送っています。

 そしてほとんど毎日のように大学や街でイベントが開催されているので、疲れない程度に時たまフラフラ参加しています。例えば、City orientationでは、チューターグループ対抗で市内の各通過ポイントでゲームをして点数を稼ぎました。

同じグループのイギリス人達は、自らガムテープで眉毛を剥がしたり即効ラップに合わせて転がったり象のように走り回るなど、訳の分からない面白さで涙を流して笑いました。

 信じられないことに9月半ばには雪が降り、すでに寒いです、毎晩氷点下を下回っています。

雪が降り積もる中、スカートにハイヒールサンダルで自転車に乗り、当然度々スリップして脚や顔を擦りむくので、色々な人から正気なの?と聞かれます。頭がおかしくなってきているのかもしれません。フィンランドが少しずつ冬に向かっているのを毎日静かに感じています。

この記事を書いた人

Akari Yamasakiさんの海外ストーリー