Canpath
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初めての友人。

ぼちぼち家探しでも、というところで少し体調が崩れる。
途端、一気に張り詰めていたものが切れるように、部屋で休んでいると気が滅入って仕方なかった。なんの当てもなく来てしまったことを、何故か悔やんでいた。
まあでもいいか、なんとかなるだろう、って何回も思った。
病み上がりに街へ繰り出すと状況は一変、何故か人が怖くなっていた。
すれ違う時、後ろを誰かが歩いている時、無性に怖くて仕方なかった。
これはまずかった。一気にホームシックに陥る。
どうしようかと当てもなくRhône川沿いの道をとぼとぼ歩いていると、背後に人影が見えてとっさに避ける。
やばい、病みが止まらない。そう思って人影の主に視線を移すと、不意に彼はフランス語とつたない日本語で声をかけてくれた。
『Japonais?三つ子の魂百まで』
は、と思った瞬間、僕は笑顔になっていた。
これがフランスで初めてできた親友との出会いだった。
人と人との出会いは、やはり運命付けられていると思わざるを得ない。
彼は僕にとって救世主であり、兄弟であり、また悪魔でもある。
なぜ僕が彼に出会ったのかはこの時はまだわからなかったけど、間違いなくお互いに出会うべくして出会ったと思う。

この記事を書いた人

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Ishida Hajime
現在地:-
鳥取県出身。 20歳までギターに専念。 20歳からスノーボードへ転向。 26歳で料理の道に。 東京と大阪のレストランで約2年間弱洋食に携わる。 27歳、2014年11月に渡仏。 English まあまあ French ぼちぼち

Ishida Hajimeさんの海外ストーリー