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2月

1.勉学の状況
 今月は(ⅰ)current trends in educationと(ⅱ)survival Finnishの授業が終わったのでそれぞれについて少し詳細を書きたいと思います。

(ⅰ)current trends in education
 この授業では、テーマとして世界各国の近年の教育分野の法政策や目新しく発展してきた分野に焦点が置かれていました。授業数は少なくその代わりにグループ学習が中心で、グループごとのエッセイと発表、各発表に対するレビューのレポートが必須でした。授業のレベル3段階の中で最も高いレベルだったため、学生は修士や博士の学生が多い印象を受けました。フィンランドは全ての大学にそれぞれオープン大学が併設されています。この授業はUEFのオープン大学から来ているフィンランド人学生が半数を占めており、まさに生涯学習を見ることができました。
 私達の班はフィンランド人とスペイン人、日本人からなり、テーマを「フィンランド、スペイン、日本のオープン大学から見る成人教育について」としました。日本のオープン大学は全国に放送大学1校だけなので、他の生涯学習機関や日本社会と生涯学習の関係についても一般論として触れました。全てグループ単位の提出と発表なので良い意味で緊張感と個人に責任感がありました。私のグループの学生は優秀で一緒に学ぶ中で良い刺激を受けました。
 他のプレゼンテーションのテーマは「多文化主義と教育」「中国と日本、フィンランドでのドロップアウト」「北欧諸国の教育面での福祉と平等、民主主義」等、一般的に教育と言えば学校の校舎内だけに視野が縛られる日本では光の当たりにくい分野であり、長期的・複眼的な視点が必要な社会と教育の関係を取り上げている班が多く、またもちろんプレゼンテーションの質も高く、興味深く思いました。

(ⅱ)survival Finnish
 初心者向けのフィンランド言語の授業です。挨拶から始まり基礎の文法やフィンランドで生活していく上で必要な日常会話や単語を学びました。私は元々言語を学ぶことに興味がなく、フィンランドでは大抵の場面で英語が通じるので現地の言葉が話せなくても生活に支障はありません。それでも、0が1になる瞬間は感動があり、今まで毎日聞きつつ1つも単語を知らなかったフィランド語が少しずつでも解析されていくことを面白く思いました。さらに学びを進めていくと言語から見えてくる文化や生活もあるのでしょう、初心者すぎてまだ分かりませんが…。
 単位が決まるテストは寝過ごしましたが、納得がいくまで再テストを何度でも受けられそれが成績にネガティブに影響しないフィンランドの教育制度に救われました。多様な学習者に合わせて教育の機会を柔軟に提供することで、広い意味での”落ちこぼれ”が出る前の段階で学習者を掬い上げ支え、学習者自らの力で前向きな人生を築くことができる、という考え方が元にあるそうです。
 ヨエンスーには、市と企業が出資しているJoMoniというNGOが地域に住む移民を支援する活動を行っています。その一環で今月は週に2度、1コマ2時間半ずつ無料でコミュニティセンターで開かれていたフィンランド語初級のコースに参加しました。毎回生徒が5人前後という少人数で学ぶことができました。講座の最終回では、引いたカードに描かれた絵を即席で説明するゲームがあり、私のカードは青々とした葉の茂る木に蝶蝶が舞い青空が広がる絵でした。’Tämä puu on kaunis talvella.’「この木は冬に美しくなる」と言うと、あなたは絵の奥にある見えないものが見えるのねと先生から甚く感動され戦きました。
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2. 生活の状況
 一応春が近付いているそうで、雪は残りながらも日中気温がプラスを越える日が出てきました。まだなかなか太陽は見られませんが厚い雲の奥がぼんやりと明るくなる時間が増えました。冬独特の暗さがもうトラウマになり、一生暗闇のままなのではないかと思い泣けるほどです。そんな気候の影響もあって鬱になり大学付属の病院に通いカウンセリングを受け薬を飲んでいました。

 今月14日のバレンタインデーはフィンランドでは友情を祝う日です。音楽関係のNGOが文化カフェなる場所で1950年代フランスのレコードを流しジャズピアノの演奏もあり、ハート一杯のカップケーキと赤ワインをいただきました。詩の本が置いてあり、皆次々と本に書いてある友情の詩を朗読していました。
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 一般的にフィンランド人の国民性は冷たく愛想も表情もなく寡黙だと言われますが、1人でいる外国人を放っておかないことに毎回救われています。この日も気付けば誰かが隣に座っていてフランス音楽の話をしてくれたり、静かに近寄ってきて「お腹空いている?」とジャガイモとブロッコリーのスープを持って来てくれたり、フィンランド人の輪に私が入ると必ず言語を英語に合わせ私に話を振ってくれます。短い期間ではありますが私がここに外国人として、そして目に見えるマイノリティとして住んでいて個人的に感じるのは、フィンランドでは幅広い階層の人々が子供の時から多様性を皮膚感覚で知っているということです。彼らは少数派に対して寛容に真摯に向き合い受け入れる態度を当たり前のようにとることができます。日本で、色々な言葉はありますが結局は「異」として排除されたり、そもそも存在しないものとして扱われるのを見たり経験したことがある私にとって、人々が不器用であっても個人個人を理解しようと努める心遣いを感じその度に心打たれます。

 その他は、バーで初めてマノ音楽ジャズを聴いて細やかなリズムとグリッサンドに惹かれたり、大学の社会科学専攻の学生向けNGOとパブでお茶をしたり、高校3年生の伝統行事であるクラシックダンスの発表会を見たり、旧暦のお正月を友人と祝ったり、近所の小学校4年生のクラスを1日見学し先生が2時間分の授業を割いて下さったので定番の折り紙を教えたりしました。ここは文化的なものを学び続ける生き方をするのにとても生きやすい社会だと改めて感じています。

この記事を書いた人

Akari Yamasakiさんの海外ストーリー