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3月

1.勉学の状況

 今月で(ⅰ)Finnish arts educationと(ⅱ)Comprehensive Primary Arts Education:MMADD-About the Artsの授業が終わったのでそれぞれについて詳しく書きたいと思います。どちらも個人的に好きな授業で興奮して通っていました。

ⅰFinnish arts education
 フィンランドの芸術教育についての授業です。各3時間、6回にわたる授業は毎回必ず実践が含まれていました。作品の制作とその過程での学生同士の議論を中心に進む授業です。
第1回目の授業は、フィンランド画家の絵を1枚選びそこからインスピレーションを受け関連させて自分の名前の綴りを色紙のコラージュで表現し、それを元に自己紹介をすることから始まりました。
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 他の回では、カメラの歴史をさらった後手作りのピンホールカメラで他の学生と写真を撮り合って暗室で現像したり、市内のアートギャラリーに行ってティラミスケーキと珈琲をいただいたり、1枚選んだフィンランド風景画を背景にした切り絵のアニメーションを作ったりしました。
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(友人と苦戦し失敗続きで笑ったピンホールカメラの写真)
 私にとって特に興味深かったアクティビティは、フィンランド人画家による人物画を1枚選び、絵の中の主人公の特別な存在の人物を想像して粘土で作り、最後はそれぞれの物語から出てきた粘土製の人間達を1人ずつ舞台に並べていき、位置によって劇のように物語を考える、というものでした。
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 私がこの授業から学んだことは、芸術の才能や”センス”に関わらず誰でも参加できるシンプルで基礎を重視した作品制作、創造性と遊び心溢れるユニークなアクティビティ、芸術に対する多様なアプローチ方法、学生の自発性による学びが何よりも中心にあること、芸術を切り口に学生が異文化や言語を越えて繋がること、想像力と思考力を促す芸術教育、自分の文化や人生を芸術という新しい視点から見つめ直すこと、などです。この授業でフィンランド芸術を様々な視点から学ぶ中で、芸術を媒介にして、文化/芸術、個人の生活/芸術、自分/他人が、平等で対等に線が交わることに毎回感動しました。

ⅱComprehensive Primary Arts Education :MMADD About the Arts
 フィンランドの音楽教育についての授業です。授業中は基本的に歌ったり踊ったり多様な楽器で音やリズムを使ったレクレーションを通して、音楽を楽しむことを学びました。例えば、皆で様々な種類のパーカッションを叩きサンバリズムを刻んだり、パソコンのソフトを使って音楽を作曲したり、サン・サーンスの「動物達のカーニバル」を聞いて浮かんだ抽象的な絵を描き、それを楽譜として解釈しグループごとに楽器で表現したり、絵に描いてあるものを教室内にある楽器を使って表現するゲームや、パッヘルベルの「カノン」で即行創作ダンスをしたり、2人組で4拍子と8拍子を組み合わせたリズムを2小節体で表現し最後は全員で「ボディーパーカッションオーケストラ」の発表をするなどしました。度々、ベルギーから小学校の音楽の先生がいらっしゃり、ベルギーで実際に実践されている音楽のゲームを楽しみました。学んだことは上で述べた芸術教育での学びと似ています。
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 また、市内の私立のフォークダンス学校を見学しました。まだ劇や音楽、美術学校の見学が4月に残っています。

2.生活の状況
 生まれて初めてオーロラと皆既日食を見ました。

 今月序盤は2週間丸々スキー休みだったので、5日前に急遽航空券を買い、ヘルシンキとドイツに行ってきました。行く街だけを決めておく行き当たりばったり旅行です。各都市で愛すべき友人達と再会しドイツ料理を片端から食らい尽くす最高の旅をしました。面白いお話を聞かせて下さった愛の塊の皆様ありがとうございました。
 ヘルシンキはどちらにしろ5月から住むので未来に書きます割愛。
 ドイツはベルリン、ハイデルベルグ、フランクフルト、ドレスデン、ライプチヒを2週間かけて電車で回りました。

 (各地の博物館で旅行のほとんどの時間を過ごしますが、惹かれた博物館はベルリンのフンボルト自然史博物館だけでした。この博物館の目玉は、ギネスブックに載った世界最大ブラキオサウルス化石とホルマリン漬けコレクションです。ただ今の時代、博物館の魅力はコレクションの数や貴重さ以上に、博物館が来館者の教養・経験・感性と展示内容を繋ぐ媒体になることにあるのではないでしょうか。この博物館の天文学の展示の1つに惑星に関するプラネタリウムがありました。これは上下に動くようになっており、太陽から始まり惑星ごとにだんだん私達がいる下に降りてきて、私達の目の前に迫った地球の場面で見ている私達がいきなりカメラでプラネタリウムに写る仕組みになっています。自分とは無縁の遠い存在に感じてしまう天文学ですが、私達自身と繋がっていることに気付かされる展示でした。また同じ分野の展示で、宇宙に関連する音楽を聴くことができるコーナーでは、ドイツ出身の天文学者かつ音楽家だったウィリアム・ヘルッツエル作曲のシンフォニー第2番やモーツアルトのシンフォニー木星、映画スターウオーズの主題歌など宇宙を共通のテーマに様々な音楽が用意されていました。天文学が分野を超えていくことに1人ワクワクしました。子供向けの化石発掘体験ワークショップや企画展のパンダ展も楽しく見ました。)
 知らない地で知らない人にもどんどんついて行きます。適当に拾ったバスで話し仲良くなった女性がベルリンを拠点にするプロの歌手でした。これからコンサートのリハーサルだから見に来てということで、急遽彼女が所属するアフリカ系アメリカ人7人グループの現代ゴスペルの演奏をお客私1人で聴きました。涙溢れる感動的な上手さでした。

 ハイデルベルグには3日間いたのですが、プファルツ選帝候博物館はハイデルベルグの歴史から芸術にわたってコレクションが多く見応えがあり1日が終わりました。西ドイツピザ?を食べ、ハウプト通りを買い物し、カフェでジャズピアノ演奏を聴きながら蜂蜜シナモンココアを飲み、マーケットを見て、ハイデルベルグ大学の日本学キャンパスに連れて行ってもらい学食でご飯、朽ちたハイデルベルグ城をオ―ディオガイドで周り、ドイツ薬事博物館、大学博物館、ビスマルク広場、元学生牢を訪れました。
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 友人からもらい偶然ドレスデンに向かう電車の中で読み始めた「スローターハウス5」がドレスデン無差別爆撃についての本で戦きました。ドレスデンでは、植物園で椿と日本庭園の企画展を見て、フラウエン教会やドレスデン三位一体大聖堂等歴史建築物を周り、夜ご飯にザウアーブラーテンとクヌーデル、ザワークラフトをいただきました。翌日は朝からノイエマイスター絵画館とロイヤルパラス、物理化学機器博物館、ドレスデン美術館を周り、合間にドレスデン地方菓子アイアシェッケを食べ屋外でピアノ演奏を聴き、夜ご飯に豚肉をゼリー状にしたアイスバインとビールを食べ、オペラ館で現代クラシックを聴きました。
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 音楽の歴史で有名なライプチヒでは、2大教会に行き有名音楽家達の彫刻を見て、昼ご飯はシュニッツェルを食べ、ドイツ一巨大な駅とライプチヒ大学を訪れ、バッハのカフェでイタリアの白ココアを飲み、展望台から街を見下ろして夜は大人数でバーでビールを飲みました。

 ドイツのどの街を訪れても、人々が特に第2次世界大戦後、文化や建築物をいかに大切に保存し、歴史を意識して世代を繋いできたことを強く思いました。ドイツの豊かな芸術文化や人々の歴史と政治への関心の高さを肌で感じました。ドイツと言えば戦後、2度の戦争とナチスについて戦争責任を早急に果たしたことで有名ですが、実際にドイツに行ってみて腑に落ちました。戦後責任は政府による政治や外交だけによるものではなく、国民個人の単位で戦後に戦争犯罪に向き合い社会的認識を共有した結果なのだと思いました。サミュエル・スマイルズや福沢諭吉が言うように政府は国民の鏡であるのは理であると改めて感じました。

 その他ヨエンスーでは、2日間にわたるライブでロックや民謡を聴きに行きました。ショートフィルムやサーカスも見られただけではなく、近所の図書館で働く爽やかな司書お兄さんがデスメタルのボーカルでシャウとし、私をライブに誘ってくれた穏やかな友人が別のデスメタルのベースでシャウとし、緑モヒカンと友達になり、観客がウオッカを瓶からラッパ飲みし飛び回りヘッドバンギングする衝撃的な文化を目の当たりにしました…。そして以前授業で見学したヨエンスー家族の家というsave the children機関の国際イベントに招待され、4~12歳の子供と保護者40組を対象に折り紙を教える定番のボランティアをしたりもしました。家族が、同世代の子供を持つ保護者達が、地域が緩やかに繋がり広がる安心感を確かに見ました。

この記事を書いた人

Akari Yamasakiさんの海外ストーリー