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NZに家族で移住しちゃおう!

※ こちらのストーリーは、CanPathからの質問に回答して頂くかたちで投稿されました。
  

簡単な自己紹介をお願いします。

ニュージーランドのオークランドでソフトウェアコンサルタントとして働いています、畝森(せもり)といいます。
日本では18年間、コンサルタントやプロジェクトマネージャーとして主に会計・金融システムの構築・導入に携わってきました。2011年12月に家族と共にオークランドに移住し、専門学校を経て2013年3月から現在の会社で働いています。その後永住権も取得し、現在は仕事、ファミリータイム両面で充実した毎日を過ごしています。日本で勤めていた時に同僚だったインド人達が腕一本で言葉も通じない異国に勝負しにきているのを見て、「スキルさえあれば国境関係なく働けるんだなー」と感心したのがきっかけだったと思います。
  
Aucklandからフェリーで30分のWaiheke Islandにて<br>
  

なぜ海外に行ったのですか?  

子供の教育や将来の年金や原発のことを考えると日本でしか働けないという状況に身を置き続けることは常々リスクが高いと感じていたので、海外に永住できるチャンスがあればいつでも飛びつけるように気持ちだけは準備しているつもりでいました。が、心のどこかでそれまで築いてきた実績やら人脈やらを40歳を過ぎて捨てて、完全アウェーの英語圏で勝負する覚悟まではできてなかったんだと思います。やっぱりチャンスはあっちから来てくれるのを待つものではなく、ある程度リスクを取って自分から作りにいくものだからです。それに気付いたのはWebで「ニュージーランド専門学校入学から永住権へ」という情報を見つけた時でした。
  
南島Queenstownの眺望
  

なぜその行き先を選んだのですか?  

海外移住を考えるにあたり、一番問題になるのが現地での就職先です。ワークビザか永住権がないと僕程度のなんちゃって技術者では見向きもされないのですが、逆にジョブオファーがないとワークビザも永住権も申請できません。が、ニュージーランドには「専門学校を卒業すると1年間限定の就職活動用ワークビザをもらえる」という制度があります。このビザがあるからといって就職が保証されるわけではありませんが、やっと見えた永住権への道筋だったのでギャンブルすることにしました。結果こうして永住権まで手にすることができたので大正解でした。
  
ニュージーランドはこれ以外にも学校環境や教育制度が充実している、気候が温暖で住みやすい、移民が多いので異文化に触れる機会が多い、人がフレンドリー、など他の国に比べていくつもいいところがありますが、個人的には春に杉花粉が飛ばない場所に住めるのは天国です(笑)。
  
Lake Pukaki越しに望むMt Cook
  

海外体験後の英語レベルはどうでしたか?

まだ海外体験中なのでなんとも言えませんが、正直Kiwi英語の聞き取りには未だに苦労してます。こればかりは人とたくさん話して慣れるしかないですが。
一つだけ言えることは、日本にいて英会話教室に通ってもスピードラーニングを電車の中で聞いても、英語は絶対身に付きません。海外で英語100%の生活をしない限り本当の意味でコミュニケーションに使えるレベルまでは到達できないでしょう。
  

治安はどうでしたか?

ニュージーランドは他の英語圏に比べても非常に治安が良い国です。車上荒らしなどの軽犯罪は多い地域もありますが、凶悪犯罪はあまりニュースで流れません。ただ、どの国でも危険な場所に危険な時間に近づかない、という基本的な常識さえ守っていれば、犯罪に巻き込まれる確率は自分で下げることができます。
  

現地の食べ物はどうでしたか?

中国、韓国からの留学生や移民が多いので、チャイマと韓国食材店はかなりたくさんあります。日本食材はJapan Martなどで買えますが、やっぱり割高なので韓国食材店で近いものを見つけて使ってます。
ニュージーランドは移民が多いせいかアジア以外にも世界各国の料理や食材が揃ってるので、色んな国の食文化を体験したい方にはオススメの国です。
  
New Zealandのご当地バーガー「Burgerfuel」<br>
  

言葉の壁をどう感じましたか?

仕事で使う英語は実は比較的簡単です。使われる用語が決まってくるし、何の話か同じ仕事してるので大体想像できるからです。これは大学や専門学校の講義なんかでも当てはまると思います。とにかく仕事でも専攻でも自分が得意なことだったりやりたいことだったりするはずなので、最初はこの部分で英語に集中するのが効率的に言葉の壁を乗り越えるコツです。
問題は日常会話。どういうトピックが飛び出してくるか予想できないので、それを即座に聞き取って理解して相槌入れることができるようになれば上達を感じることができるんでしょうけどね。道は長く険しいです・・・
  

文化の違いをどう感じましたか?

残業、ホントにみんなしません。金曜なんかは3pmくらいからみんなオフィスでビール飲み出します。
あと言葉の壁にも関係してきますが、英語は聞き取れても文化的背景がわからないので会話にならないことが多々あります。例えば周りがラグビーやクリケットの話で盛り上がっていてもチームやプレーヤーに馴染みがないし、ルールをそもそも知らなかったりするので最初はチンプンカンプンでした。でもKiwiはみんなおしゃべり好きでフレンドリーなので、こちらから興味を持っていることを示すと喜々として教えてくれます。
海外はどこも日本のようにきちんとしていないのでフラストレーションが溜まることもありますが、それも含めて「違いを楽しむ」ことができれば海外では常に刺激的な毎日を過ごすことができると思います。
  
Auckland自宅からの夕焼け<br>
  

読者へのメッセージをお願いします。

ITに限った話ではありませんが、しっかりしたスキルや経験を持った日本人技術者は海外で間違いなく通用します。でも残念ながら、日本にいると周りは同じ日本人ばかりなのでそのことがわかりません。もし「このまま日本にい続けて大丈夫だろうか?」と疑問に思っていらっしゃるのであれば、まずは自ら行動を起こさないと何も変わりません。自分のコンフォートゾーンにいるのって心地いいんですが、本当に成長できるのはそこから出た時だけです。
もし僕と同じように「海外で自分がどこまで通用するかチャレンジしてみよう」という心意気がある方がいらっしゃるのであれば、同志として精一杯応援させてもらいたいと思います!
  
首都Wellingtonの国会議事堂「Beehive」
  

プロフィール   
出発時の年齢 42
出発時の英語レベル 上級
職業 ソフトウェアコンサルタント
期間 2011年12月~まだ体験中
学校 AMES IT Academy, Auckland
予算 1000万円(家族3人分の生活費含む)
実際にかかった金額 870万円

内訳


専門学校通学期間+就職活動期間の無収入時期(15ヶ月)の家族3人生活費総額
(渡航時の為替レートNZD=60円で換算)

【1週間の視察旅行&片道航空券】70万円
【一時費用】150万円(家具・家電一式、車購入等)
【学費】180万円(専門学校100万円、小学校80万円、どちらも1年間)
【その他生活費】470万円(家賃、食費、水道光熱費、娯楽費等)
  
※3人家族が住める3ベッドルーム・家具なしの家を賃貸したので相応のスタートアップコストと生活費がかかりました。単身や子供なしであれば家具付き物件をflat shareしたりで家賃はかなり抑えられます。

この記事を書いた人

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Koichi Semori
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