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LGBTQ

LGBTQについて、どのようなことを知っていますか?
日本でも最近は同性婚のニュースなどを通して注目が集まってきているかと思います。アメリカでの取り組みはさらに先進的で、Gender Equalityを尊重する動きが加速しています。私も最近勉強し始めたばかりですが、その知識を共有できればと思います。

LGBTQとは

Lesbian(女性同性愛者)
Gay(男性同性愛者)
Bisexial(両性愛者)
Transgender(心と体の性の不一致)
QueerもしくはQuestioning(特定の性を持たない、もしくは性を探求している)
と一般的には定義されています。
しかし、これに当てはまらない人もいる、もっと細かい分類ができる、とも言われています。
特にQに関しては比較的新しい概念で、様々な定義が提唱されています。
http://www.usatoday.com/story/news/nation-now/2015/...

LGBTQの抱える問題 -差別

だんだんとLGBTQに対する理解が深まっているとはいえ、まだ異質だと捉える人も多くいます。
言葉の暴力といった精神的な差別も暴力もまだ絶えてはいません。
シアトルにはCapitol Hillという、LGBTQで有名な地区があります。
そこにはLGBTQを表象するレインボーカラーがあちらこちらで見かけます。
その一つにレインボーカラーの横断歩道があるのですが、それは彼らが巻き込まれた暴力事件を発端として啓発のために昨年設けられたものだそうです。
IMG_5369[1].JPG

LGBTQの抱える問題 -ホームレス

ホームレスの中でLGBTQにあたる人も多くいます。
LGBTQの約20%がホームレスだとする調査もあるそうで、この問題は深刻です。

なぜ、ホームレスになってしまうのか。
それには複数の理由があります。

①学校教育
自分の性に違和感を抱える人にとって、学校教育は苦痛の連続です。女の子は女らしく、男の子は男らしく、が求められる生活。体育での男女別での更衣室。トイレ。
そのような状況が耐えられなくなり、学力に関わらず学校に行くことをやめてしまう人もいます。

②就職
近年はGender freeを謳う企業も増えてきたものの、LGBTQであることを隠していなければ就職しにくい現状があります。そのことを明らかにした途端、周囲からの対応が変わったという声も聞きます。
また、①とも関連するのですが、収入が低い人が多いです。学校を途中でドロップアウトしてしまうと、十分な収入が得られる職につくことが難しくなってしまいます。職を得ることも難しい、就職してもそこで自分らしくやっていくことも難しい…そんな板挟みの状況にあるのです。

③家庭
家族からの理解が得られずにホームレスになってしまう人もいます。家族から関係を断たれ、低収入と高物価の中家を借りて生活することも難しくホームレスという道を選ぶのです。

他にも原因は様々ですが、ホームレスになってしまうということ自体も問題である上、そうなったことによってさらに暴力の危険にさらされてしまうという現実もあります。

LGBTQの抱える問題 -世代間での相違

注目され始めてまだ日が浅いとはいえ、LGBTQの方々が昔からいなかったわけではありません。そう自覚していても言えない、もしくはそうでないと思い込んで生きてきた人がおり、彼ら/彼女らは静かに生活をしてきたのです。
そんな中、急に保護や啓発の動きが強まり、若い世代は公の保護の下に入ることが多くなりました。しかし、年配の世代の状況やこれまで抱えてきた想いが急に変わるわけではなく、若い世代と年配の世代との間には隔たりがあります。

また、言うなれば、これからの世代はLGBTQ第一世代です。
レズビアン同士、ゲイ同士の両親で成る家庭が法的にも認められ、子どもを持つこともできるようになります。
しかし、そのような家庭の行く末はまだ誰にも分かりません。
周囲の理解の問題に加えて、元来の低所得や精神的な問題も残ることと予想されます。

今後の動向-シアトル

シアトルは比較的ジェンダーの問題に積極的な地域で、Gender freeに向けた取り組みが進んでいます。
例えば、図書館で”Seattle Gay News”という新聞を見かけました。
LGBTQに関するニュースやイベントを中心にまとめられている新聞で、現状を知るのに非常に良いリソースです。
一般の新聞と同様に広告も掲載してあり、多くのスポンサーが協賛していることがうかがい知れます。

また、政治的な動きとして、トイレの問題の解決に向けた法案が可決されました。
一般的にトイレは女性用、男性用と分かれていますが、この法案はどちらでも使えるトイレの設置を進めるというものです。
実際に前述のCapitol Hillにあるカフェでは「男女で分かれていますが性別に関わらず使用できます」というような案内が既にありました。

更に、2017年に向けて国と地域の両方のレベルでの詳細な現状調査が行われる予定で、それを元にまた新たな改善策が講じられることと思います。

アメリカでは学校の授業や図書館などでの講座でジェンダーの問題を学ぶことができ、現状を知る機会が多く設けられています。
この問題は一国に限ったものではなく、日本でも軽視できないものです。
日本ではまだまだ後進的ですが、すべての人が快適に安全に過ごせる日が来ることを願っています。

この記事を書いた人

Kayo Matsunaga
現在地:日本
福岡県出身 九州大学 教育学部 社会教育、生涯教育、大人の学び直し、あそび、公園 パン屋めぐり、散歩 トビタテ!留学JAPAN 3期生 シアトル、コミュニティカレッジ スウェーデン、デンマーク、フォルケホイスコーレ

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