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SIYSSへの挑戦と挫折

 SIYSS(ストックホルム国際青年科学セミナー)とは毎年19カ国から25人の18から24歳までの青年がストックホルムに集まり、ノーベル賞授賞式、晩餐会やセミナーを通して交流するセミナーです。日本からは毎年2名の学生が派遣されており、物理・化学・工学系から1名、生物・農学・医学系から1名派遣されています。過去の派遣学生は東京大学、京都大学、東京工業大学、北海道大学、早稲田大学、上智大学、神戸大学、海外大学など。
詳細はこちら→http://www.japanprize.jp/siyss_yoko.html

ノーベル賞授賞式に行けるんですよ!そりゃ応募したくなります。

応募しよう

担当部署はどこか

 多くの大学では国際系や留学生の仕事を担当する部署でSIYSSの学内募集が行なわれています。東京大学では留学や海外派遣の情報がTwitterで発信されており、その他にも京大、東工大、熊本大などは大学のホームページ上でSIYSSの募集情報が公開されているらしい。対して地方大学の鹿児島大学では学生が見る掲示板にもホームページにも情報がなく、学内メールでもお知らせが流れることがありませんでした。鹿児島大学生は応募できない?そんなばかな・・・いや、担当部署はどこかにあるはずだ!と思いながら尋ねたのはトビタテの時にお世話になっていた国際事業課留学生係。

私 「SYISSっていうのに応募したいんですけど担当部署を引き受けていただけませんか?」
職員さん 「うーん、よく分からないけどここじゃないと思う。理工学研究科の学生係に聞いてみてください」

理工学研究科大学院係
私 「SYISSっていうストックホルムに行けるセミナーに応募したくて担当部署を探しているのですが・・・」
職員さん 「あ、先生方にメールで推薦を呼びかけていたセミナーですね」
私 「え、情報出てたんですか!?」
職員さん 「掲示はしてないですけど先生方にはメールで流してますね。研究科締め切りは7月22日ですよ」
 どうやら国際事業課留学生係→各学部・研究科→先生方のルートで周知していたようです。本来は教授側から学生に「SIYSSに行ってみないか?」というお誘いがくる仕組みになっているようで、TOIECで700点以上を取る学生自体が少ない鹿児島ではそもそも推薦しようとしてくれる方も少ないと思いました。「まさかこのセミナーに食いついてくる学生さんがいるとは思っていなかった」と言われました。

 ホームページには書類締め切り8月26日とあったので時間があると思っていたのですが大学院の締め切りが7月22日だと判明したので予想以上に時間がないので(この時点で7月上旬)早速応募書類の準備に入りました。

応募書類は
- (履歴書的な)推薦書
- 先生からの推薦書
- 小論文 「ストックホルムで何が学びたいか」
- ポスターセッションの内容(研究内容)
- TOIEC 700以上のスコアシートのコピー

推薦してくれる先生がいない(日本に)!

 ここで問題が発生。指導教官がなんと半年間海外に長期出張していたのです。もちろん応募期間中に帰国されるという可能性もなく・・・。困ったので問い合わせてみると、推薦者が長期出張中でも(特に選考に関して事務局側からの問い合わせはないので?)問題がないとのこと。推薦書は署名でも印鑑でも良いが印鑑の場合は推薦してくれる先生との推薦書に関するメールのやり取りを添付する必要があるとのことでした。

私はストックホルムで何が学びたいんだ?

 応募書類には「ストックホルムで何が学びたいか」という小論文が必要です。正直なところ、私は文章を書く事は苦手です。これはとてもとても困りました。しかも「ストックホルムに行きたい」という願望はあるものの「なぜ?」と言われると「うーん・・・」となってしまう。そこでこれまでの海外体験で得たもの、サイエンスを研究してみて何を思ったのかを整理してみました。私の場合、オーストラリアで研究留学をしていた大学でノーベル物理学賞を受賞された教授がいらっしゃったので「ノーベル賞受賞者と他の研究者を分けるものは何か?」という疑問を持っていたことや色々な分野の科学に触れて視野を広げたいと思っていることなどを書いてみました。

 派遣学生のほとんどが旧帝大だし無理だろうな・・・。と思っていたところに嬉しい知らせが!なんと書類審査を通過したのです。


そして面接、レベルが違った

 面接は東京の国際科学技術財団の会議室で行われました。六本木のビル郡の35階。就職活動をした時に結構東京へは向かいましたが六本木には行ったことがありませんでした。六本木を歩いてみるといたるところから英語や中国語、韓国語が聞こえてくるではありませんか。久しぶりに海外と日本の間を見た気がしました。

 面接官は全員で5名でした。1名が理系の研究者(学生の研究分野は全く違う人)、2名が日本語で質問する面接官(財団職員の方?文系かもしれない)、1名が英語で質問する面接官(最初に見た時は日本人に見えましたが、アクセントはネイティブでした)、そして最後の1名が書記の方でした。

以下は面接で聞かれた質問です。

〜質問(日本語)〜

・研究(ポスターセッション)の内容を簡単に説明
・説明に対するツッコミ
  →「銀河」を知らない人に話すような感じで出来るだけ噛み砕いて説明
  →その研究ができるとどのようなメリットがあるのかのストーリー性も重要
    (銀河の回転速度がわかると「天体の物理量の導出ができる」「ダークマターの割合が計算できる」など)

・そもそも天文学に対して興味を持ったのはいつ?
・その研究は社会に対してどのように役に立つのか
・現地に行っていろいろなことを吸収したいという意欲は見られるが、何事もGive and Takeで成立している。あなたが現地で他の参加者、現地の高校生またはノーベル賞受賞者に対してGiveできるものは何か?
・将来のキャリアパス
  →デフォルトは「博士課程に進学して研究者になる」という答え。本来そのような人が参加するセミナーですし・・・。
・あなたが研究者になった場合に社会での役割とは何ですか?

〜質問(英語)〜

・簡単な研究内容の説明
・研究内容に対する質問

面接の感想としては・・・

 研究内容を噛み砕いてわかりやすく説明することがとても難しかったです。専門外の方々にいかにわかりやすく、ストーリー性を重視して伝えられるかがポイントになるのではないかと思いました。同じ分野の研究者が面接官であるという可能性はとても低いので研究室で議論しているレベルの細かいことはほとんど聞かれなかったです。同じ分野の研究室の学生や教授と面接の練習をするよりも自分の研究内容を全く知らない文系の友達や高校生などに研究内容を聞いてもらって練習した方がいい気がしました。
感覚としては面接時間の半分以上を研究内容の説明に費やしていた気がします。英語の質問で研究について説明を求められると思っていなかったので焦ってしまった・・・(のでここはきちんと用意していくべき)。また、(小論文中に書いていた)高校生向けの科学系合宿のTAをしていた点はなぜか評価されたので小中高校生に対して科学を伝える活動をしているとプラスに働くのかもしれないです。

 東大、東工大、京大は過年度通過者と面談や対策をした上で応募してくるそうで、学内選考が行われる大学もあるそうです。そのような中で情報ゼロの地方大から全国も少ない書類通過者の枠に進み、同じ面接の場でコンピートできてとても良い経験になりました。鹿児島大からは応募者が初(たぶん)で書類選考通過者も初(こちらは確実)だったので見事に書類審査通過率100%を叩き出しました。

 今年合格された方、ストックホルムで楽しんできてくださいねー!

この記事を書いた人

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Chey Saita
現在地:日本
ベルギーで幼稚園時代2年半、マレーシアで小学・中学時代4年間過ごす マレーシアでは英国系インターナショナル・スクールに通う 帰国後は兵庫県立芦屋国際中等教育学校に編入。3期生。 鹿児島大学理学部物理科学科宇宙コース->鹿児島大学大学院理工学研究科物理・宇宙専攻 第2回サイエンス・インカレ ファイナリスト IAC2014(宇宙国際会議)のJAXA学生派遣プログラムの代表生 トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム 1期生 オーストラリア国立大学にて電波天文学を研究するために留学

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