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東海学生リーダー合宿に乗り込んでみた話

●はじめに

ある日、トビタテ(留学のための奨学金制度)の友人から、「今度、東海学生リーダー合宿を名古屋でするから来ないか?」という誘いをいただいた。

実に縁もゆかりもない名古屋。

そもそも、徳島県生まれで、18歳まで徳島で育ち、大学進学を機に島根県松江市に引っ越した自分は、23年生きてきて一度も、東海地方に足を運んだ記憶すらない。

ただ、仲の良い友人が運営のトップで、”リーダー”という言葉に惹かれ、どこかの意識高い人が「人脈作りにお金を投資する人は成功する」みたいな一言を変なタイミングで聞いてしまった自分は、予定を確認して申し込みをした。

申し込みをしたのはいいものの、正直なところ参加することにワクワクがまったくなかった。名古屋へのチケットを取るのも憂鬱。行く価値あるのかなぁ、良いタイミングで風邪でもこじらさないものかと思っていた。けれど、友人とも約束したし、行かないわけにもいかないので、もちろん参加。

●共通のタグを持たないと思っていた自分

人にはタグというものがそれぞれに存在する。イメージはtwitterやfacebookをしている人ならわかると思うが、#がついているあれ。

例えば自分のタグは、#島根 #徳島 #トビタテ #TED #理系 #怖い みたいな具合だろう。要はその人のことを表す特徴といえよう。

今回の東海学生リーダー合宿、自分は共通のタグを持っていなかった。少なからず、参加者全員が持っていた共通のタグは#東海なのだ。もちろん、これは東海地方出身という意味もあれば、東海地方の大学生という意味もある。何はともあれ、みーんな東海に関係ある人たち。

「あーあ、僕は場違いなところに来てしまったかな。」
ほいほいと参加申し込みを決めた自分に嫌気がさした。

しかし、これは間違いだった。参加者の共通のタグは“樋口も含め”、きちんと存在していた。

それは、みんな熱いやつらばかりだったということ。あと、もうキモイくらいやる気に満ち溢れて、学びに貪欲なやつらだったのだ。こういう人たちがいるから、地球温暖化は進むんだよ(嘘)

そんな熱いやつらに囲まれた二泊三日の東海学生リーダー合宿が始まった。

●合宿の内容

結論から言うと、ものすごく濃い三日間だった。おそらく、そのすべてを書いていくと、分量的にも大人の事情的にも少々まずいので、要所要所を絞って書きたい。

この合宿では最初、リーダーとは何か?コミュニティとは何か?という話から始まる。途中からは、リーダーという枠を飛び出し、深く自己探求して知らなかった自分に気づき、本当にやりたいことや志を見つけ、それをアクションプランに結びつける。

そして、そのために今回の合宿でやったことは主に三つ。
(1)講師の方の話を聞く。
(2)インプット。自分に向き合う。人からフィードバックをもらう。
(3)アウトプット。人に伝える。人のアイデアに意見する。

特にインプットとアウトプットは、ワークショップなどを通して、かなり時間をかけて深く行った。

夜も多くの人が寝ずに語りに語った。人の話を聞いたり、自分の話をしたり。聞き上手と話し上手が集まれば、話は尽きることがないであろう。今思えば、アドレナリンで寝る必要さえもなかったのではなかろうか。

講師の方も、ここでは誰が来て、どんな話をしてくれたのかは言及できないが、「どこからそんな人連れてきたの?」と思うほど素晴らしい講師の方々を呼んでくれていて、参加者全員が大満足だった。

参加者からフィードバックもたくさんもらえる

ということで、以下気づきや学んだことを少しだけ書いていく。

●リーダーとしての学びはとてつもなく多かった

自分もリーダーという立場で臨んだ今回の合宿。感想はというと、

未熟な自分が露呈した。

それが本音だ。

講師の方々の話や参加者と話す中で、自分はいかにリーダーとして未熟かを程よく痛感した。

今回の合宿の良かった点は参加者全員が、真摯に自分の悩みやチームのことなどを聞いて、それに厳しくも意見し的確なアドバイスをくれたことにある。

今回の合宿はリーダーを考えるには素晴らしい環境で、学ぶことが本当に多かったのではなかろうか。

そして、これは絶対に言えることだがリーダーの形に決まったものはない。自分が理想とするリーダー像を作り、なぜそれが良くて、そこにどうやって向かい、何をすべきかを考えることが大事なのだ。

多くの方が参加前以上に、より明確に理想的なリーダー像ができたのではないだろうか。

●自分の過去をどう捉えるか

今の自分はどういう人間なのか?何が今の自分を形成したのか(自己形成)?

そんな問いを自分に投げかけるのが自己探求ですることの一つである。

自己探求の後に色々な方と話をしたが、自己形成という部分で多くの人が過去の話をしてくれた。

ここでは、具体的にどんな過去があったかを触れることはしない。話された過去はネガティブなことばかりだった。

けれど、これを話す人はみんな前向きで、そのバックグラウンドを経て、今の個人を作りあげているようであった。話した中には、抱える過去をほとんど誰にも話せなかったが、今回の合宿を機会にその過去に打ち勝てる人まで現れた。

これは本当にすごいこと。

どんなことも二面性を持つ。それをポジティブな方から見るか、それともネガティブな方から見るか次第で、気持ちも全く変わってくる。過去という不変の事実も、ポジティブにとらえることで、救われるどころか、それを成長に変えられる参加者を賞賛したい。

●無知を知る

この三日間、自分は驚くほど無知であることがわかった。

しかし、無知はなぜいけないのだろうか?
それは自分たちは、必ず知っているものからしか、選ぶことができないからだ。

知らないことで自らの可能性を狭め、さらには知らないところで社会の変化が起き、それに取り残されていく。

もっと、自分たちは教科書に載っていることも、載っていないことも学ぶ必要がある。

無知ほど恐ろしいものはない。

●あとがき

今回、唯一の東海に無関係の人間の参加にも関わらず、暖かく接してくれら参加者に心より感謝申し上げたい。樋口という人間の意味不明な振る舞いや言動に困惑させてしまったこともこの場を借りて謝りたい。そして、「最初は怖かった」という意見もいつも通りいただいた。改善の余地はあると信じて、これからもその点の配慮は考えていきたい。

また、この非常に質の高い合宿を作り上げた運営メンバーには本当に感服している。この三日間、トラブルなくスムーズに終えられたのも、運営メンバーの緻密な調整のもとにできたのだろう。運営の大変さは、きっと自分の想像を超えるもので、情熱を持って合宿に貴重な時間をを費やされたことに感謝以外のなにものもない。

そして、東海地方の学生の熱さとやる気にとても驚かされた。さらに合宿を通して、成長し、熱苦しさが増した人も多いと感じる。教育や社会問題に関心のある学生が多く、5年後、10年後どのような人になっているのか、楽しみで待ちきれない。これほど、刺激を与え合える価値ある仲間も、そう簡単に作ることはできまい。

最後に、過去はこれ以上は変えられない。けれど、未来は変えられるし、今ある行動も変えられる。
迷っている人は選択を迫られる。しかし、今選ぶ道が正しいかは、今決めるのではない。選んでから、「その道が正しかった」といえる努力をすることが大事なのだろう。

東海地方の熱い人たちの活躍を大いに期待しています。

本当にありがとう。

p.s.
冗談抜きで、東海めっちゃいいとこでしたw食べ物うまいし。

また、行く時は連絡するんで、樋口と話しましょうね!w

この記事を書いた人

Shinya Higuchi
現在地:オーストラリア
【プロフィール】 1.徳島県出身 2.島根大学 総合理工学部 物質科学科 物理分野 卒業(2015年) 3.島根大学 総合理工学研究科 理工・医連携コース (休学中) 4.フィリピン(2週間) ボランティア 5.オーストラリア(11か月) University of Newcastleで太陽電池の研究 【好きなこと】 (1)人と話すこと (2)スポーツ (3)映画鑑賞 (4)考えること (5)読書 【好きな言葉】 弱気は最大の敵 財を遺すは下、事業を遺すは中、人を遺すは上なり Stay hungry, Stay foolish.

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